はじめに
精神科の病院にも、他の科と同じように入院医療があります。
では、何をするのでしょうか?
精神科の入院では、薬の量の調整と休養と環境調整がメインになります。
今回はその事についてお話ししたいと思います。
薬の量の調整とは?
薬は人によって必要な量が違います。精神的な病気に対してもそうです。鬱や妄想、興奮や不眠など人によって違う症状に対して、どの薬をどのくらいの量を使うと効果的か入院して見守りがある中で判断していくのです。
よくネットで薬漬けにされた、薬の副作用で太った、などを見かけることがありますが、今の精神科医療はなるべく薬の量は少なくするようにしていますし、副作用の少ない薬も数多くできています。
もしも薬の量が気になったら、医師に説明を求めることができます。また、副作用についても気になったことがあれば、医師に相談をして量を調整して貰ったり、種類を変えてもらうなどしましょう。
自己判断で薬をやめてしまうのは危険です。急にやめてしまうと、離脱症状が出てしまう薬もあるからです。医師の判断を聞きながら少しずつ量を変えることが大切なのです。
休養とは?
精神的な病気の場合、様々なストレスが原因だったり症状悪化の引き金だったりします。そのため症状が悪くなった場合、ストレスから離れるために休養の入院をする必要もあります。
病院は、外の世界より静かで保護的な環境です。食事は出てきますし、看護師さんが看病をしてくれます。
体調が悪い時は休養の為に入院すると、ストレスフルな環境で頑張りすぎるより早く良くなります。
環境調整とは?
しかし入院したからと言っても、ストレスになっていた仕事や人間関係が変わるわけではありません。それでも、その部分に原因があるのであれば、そこを解決する必要があります。この点は他の科の医療と違う精神科独特の面かもしれません。
つまり、入院期間中に生活環境を整えるのです。
具体的には、
・住む場所を変える(実家を出て1人暮らしにする、施設に入る等)
・障害福祉サービスの就労支援を受けられるようにする
・経済的な問題解決のために障害年金や、場合によっては生活保護を申請する。
等です。
入院をすることによって担当する医師、看護師、ソーシャルワーカーがチームとなって上記の環境調整をします。もちろんご本人の意思が一番で、家族の意見や治療チームの考えと擦り合わせながら調整をしていきます。
まとめ
これら3点(薬の量の調整と休養と環境調整)をメインに精神科入院治療は行われます。入院をすることのイメージができたでしょうか?
イメージが出来ると、何となく怖いイメージのある精神科も身近なものになると思います。
精神的に不調な時は、安心して病院にかかってください。